こんにちは麒麟です。
米国株式市場は、米国10年債金利が上昇してきており、買えば爆益と言われたNASDAQ市場も収束に向かってきていますね。
2月最終週は大規模な調整が入り、NASDAQも大幅に下落しました。
ですがこの様な大幅な調整局面で、大幅に下げる銘柄と少しの下げで済む銘柄とが明確になり、本当にその銘柄の将来性が期待されているかどうか見極める良い期間でもありますね。
今回ご紹介するアミリス(ティッカー:AMRS)は、私もNISAで保有しており、このNASDAQ暴落時でも唯一売らなかった有望株筆頭銘柄です。
アミリスはどんな会社なのか?何が凄いのか?今後の見通しは?など気になることについてご紹介しようと思います。
【2023年12月追記】2023年8月9日に連邦破産法第11条の適用を申請&自社売却と同時に消費者ブランドを廃止すると発表しました。
上場廃止となり文字通り株価が紙くずとなりました。
合成生物学の研究に集するスタンスを取りましたね。
アミリスは産業用バイオベンチャー
アミリスは米国カリフォルニア州に本社を構える産業用バイオベンチャーです。
合成生物学を応用し、希少性の高い特定の物質を生成する酵母技術をいち早く特定し、それを短期間で開発&製品化することができます。
ここではアミリスのテーマである「合成生物学」とアミリスの凄さについてまとめます。
合成生物学とはどんなテーマ?
合成生物学とは、生物学と工学の学際的な分野のことを指し、生物学の工学や医学への応用が期待されます。
合成生物学の発展により、人工的に設計した遺伝子を微生物に組み込み、自然由来の香料や甘味料などの成分を人工的に生成することができるんです。
また、自然由来の成分が人工生成できるだけでなく、デジタル工学を応用し目的の遺伝子の組合せを予測&設計することが可能になるため、開発スピードが劇的に速くなります。
コロナワクチン開発でも、遺伝子ワクチンを開発したファイザーやモデルナもウイルス発見からわずか1年でワクチン製造まで漕ぎつけましたが、この両社のワクチンもmRNAという遺伝子ワクチンですね。
この様に、合成生物学の発展は世界の構造を劇的に変える可能性を秘めています。
アミリスの凄さは希少性の高い成分の生成までのプロセスが桁違いに速いこと
アミリスはこの合成生物学の技術を応用し、医療やヘルスケアの観点で非常に有用な成分を作る酵母を開発し製品化しています。
医薬品や化粧品などの原材料で必要な特定の成分を作り出す酵母の、遺伝子の組合せを予測し設計する技術に優れています。
この技術は大袈裟ですが、世界平和に貢献しています。
具体例を挙げると、アミリスの主力製品であるマラリア治療薬があります。
アフリカなどで流行するマラリア。そのマラリア治療薬の生成にはアルテミシニンという成分が使用されますが、このアルテミシニンはクソニンジン(名前。。)というキク科の植物から取れる自然由来の成分です。
当初人工的には生成不可であったため、アルテミシニンの価格は変動しマラリア治療薬のコストも大きく変動しました。
ですが、アミリスはこのアルテミシニンの人工生成に成功し、マラリア治療薬の価格も安定し、世界的普及に大きく貢献しました。
その他、化粧品材料のスクアレンは従来サメの肝臓から抽出される成分ですが、アミリスはこれを発酵技術により生成し、「Biossance」という化粧品ブランドで販売しています。
・自然由来で人工生成困難な成分の生成が可能
・それら成分を医薬品や甘味料に既に応用し製品化
・開発スピードの速さが桁違い
・目的とする成分生成に到達するための知見が豊富
アミリスは酵母を用いた発酵技術の高さで、石油などの燃料、化粧品、医薬品などの構成物質で、自然由来の希少性の高い成分を短期間で開発し製品化することが可能です。
なんだかわくわくする技術ですよね。ライフスタイルを劇的に変える可能性を秘めています。
アミリスの事業内容
※引用元:https://amyris.com
先述のマラリア治療薬などの他、以下分野で製品化に成功しています。
Health & Wellness
マラリア治療、栄養補助食品、甘味料
Clean Beauty
化粧品成分、消費者化粧品ブランド「Biossance」
Flavors & Fragrances
味、香料
事業の柱としては①ヘルスケア②化粧品③甘味料&香料で、それぞれ分野で独自の技術プラットフォームを持っています。
技術プラットフォームとは商品棚に技術が陳列している様な状態です。アミリスの場合だと、甘味料や香料を人工生成する技術が商品棚に並んでいて、顧客の「こんな甘味料を作りたい!」という要望に対して応えていく。
そんなビジネススタイルだとイメージして貰えれば良いと思います。
アミリスのこれまでの動向と今後
アミリスはここ数か月は株価が上がっていますが、意外なことに10年ほど前は1株当たりの株価が400ドルを超えていました。
その後はみるみる株価が落ち込み、2ドル台で推移していました。今まではなぜ株価が低くて、ここ数か月はなぜ株価が上がっているのか見て行きましょう。
今まではなぜ株価が低かったのか
※引用元:YAHOOファイナンス
・たびたび公募増資し資金調達していた
・成長していたが公募と相殺されており目立った上昇が無かった
その後株価は徐々に下落し、ついこの間までは5ドルを下回るいわゆるペニー株だった訳ですね。
たびたび増資しており流動株式数の増加に伴い株価が薄まっていたことと、技術の進歩による成長により相殺された様な形でしょうか。
ぱっと見だと財務的にヤバそうで、とても成長企業の値動きには見えませんよね。
ここ数か月はなぜ株価が上がっているのか
それがここ数か月で甘味料などの商品化により収益の柱となる事業が徐々に確立されてきました。
現在は更に様々な分野への応用に向けた拡大フェーズへの突入期待で20年12月から徐々に株価が上がってきています。
そして3/2のFY20Q4の好決算で一時22ドル台まで暴騰しました。
※引用元:YAHOOファイナンス
今後も温度管理の課題を解決し、既存の1/10の価格に抑えられるコロナワクチン開発など、好材料が目白押しです。
https://kirin-kabu-life.com/pfe-and-mrna-2020/
正直アミリスを応援したくなりますし、今後も買い増ししていきたいです。
まとめ
アミリスは、希少性の高い自然由来の成分の生成というゴールまでの開発力、開発スピードに優れ、かつ今後事業拡大が大いに見込まれるベンチャーです。
・自然由来で人工生成困難な成分の生成が可能
・開発スピードが桁違いに速い
・目的とする成分生成に到達するための知見が豊富
・3/2好決算で今後の事業拡大も視野
麒麟は現在NISA口座で341株@11.34ドル、特定口座で200株@18.3ドル保有中です。ここ1か月のNASDAQ大暴落もなんとか耐えてくれてます。
EHやNIO、BNGOなどは売ってしまいましたが、AMRSは長期で保有する予定です。
AMRSがライフスタイルを劇的に変えてくれる日まで、期待して保有し続けようと思います。