こんにちは麒麟です。
2020年2月より世界中で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。収束の兆しが全く見えないどころか、むしろ被害は拡大する一方の状況。
そんな中明るい兆しも見えてきており、コロナウイルスワクチンの研究開発が急ピッチで進み、バイオンテック(BNTX)やモデルナ(MRNA)が※第Ⅲ相試験で90%以上もの高い予防効果結果が得られており、ワクチンの市場投入まであと一歩の所まできています。
※第Ⅲ相試験:治験者の半分にワクチン、もう半分にプラセボ(偽薬)を投与しワクチンの有効性を検証する試験
https://kirin-kabu-life.com/pfe-and-mrna-2020/
今回は、そんなコロナワクチン銘柄の中でも市場投入目前まで来ているバイオンテック(BNTX)、モデルナ(MRNA)、アストラゼネカ(AZN)について分析してみました。
直近のコロナウイルスワクチンの状況
このコロナウイルスに対するワクチンの開発が世界各地で進められており、独医薬品ベンチャーのバイオンテック(BNTX)(米製薬大手のファイザーと共同研究)が11/9にP3試験で90%を超える予防効果を発表。
続いて米製薬モデルナ(MRNA)も11/17にP3試験で94.5%の予防効果が示された中間解析結果が報告されています。
当初本命と言われていた英アストラゼネカは、11/24に治験で70%以上の有効性が認められたものの、治験やり直しでワクチン戦線から一歩後退と言ったところ。
11/9
独医薬品ベンチャーのバイオンテック(BNTX)が90%を超える予防効果を発表@P3試験
11/17
米製薬モデルナ(MRNA)は94.5%の予防効果を発表@P3試験
11/18
BNTXが95.5%の予防効果
11/24
AZNが70%以上の予防効果も、追加治験必要
ここから市場投入までは、緊急使用許可(EUA)申請→承認→販売承認のステップを踏むことになります。
コロナワクチン関連銘柄と株価
ここではBNTX、MRNA、AZNについてご紹介します。株価チャートはどれも6か月分です。
独バイオンテック(BNTX)
※引用元:YAHOOファイナンス
ドイツ製薬ベンチャーです。米製薬大手のファイザー(PFE)とコロナワクチンを共同開発しており、ワクチン製造もファイザーが担います。
昨今ニュースで「米ファイザーが90%以上の予防効果を得られた」という報道は、このBNTXの研究するワクチンの結果です。
米モデルナ(MRNA)
※引用元:YAHOOファイナンス
アメリカ・マサチューセッツ州に本社を置くバイオテクノロジー企業です。
2018年12月に上場した従業員が1000人にも満たない規模の会社で、業績も少なくとも’16から’20/12まで毎年赤字です。
ですがコロナワクチンの有効性が90%を超えであること、そして2020年2月のコロナパンデミックより1年に満たないスピード開発で話題を集めています。
2018年12月の上場時はわずか13ドルだった株価も今月ついに100ドルに到達しました。
11/27終値は127ドルと目下爆上がり中です。
英アストラゼネカ(AZN)
※引用元:YAHOOファイナンス
イギリスのケンブリッジに本社を置く製薬企業です。日本政府に対して1億2千万回分のワクチンを提供する契約を結んでいます。
ワクチン開発では先行しており、治験で平均70%の予防効果があるとの結果が出ていましたが、ワクチンの投与量に問題があることが発覚し、追加の治験を実施することになりました。
この追加治験による影響はないとしていますが、株価も下落するなど影響は小さく無い様です。
銘柄比較
ワクチン開発で先行するBNTX(ファイザーと共同開発)、2番手のMRNA、治験やり直しで一歩後退のAZNについて、以下の観点でまとめました。
※医薬品専門ではありません。投資家目線でまとめています。
MRNA | BNTX | AZN | |
ワクチン種類 | mRNA | mRNA | ウイルスベクターワクチン |
ワクチン価格 | 33ドル | 20ドル | 4ドル |
保管&輸送温度条件 | -20℃ | -70℃ | 2~8℃ |
保管期間 | 6か月 | 6か月 | 6か月 |
普及範囲 | 先進国 | 先進国 | 全世界 |
MRNAとBNTX
MRNAとBNTXはメッセンジャーRNA(mRNA)という次世代ワクチンを開発しています。この点既に好感材料です。
両社ともP3試験まで到達しているため、今後申請、承認、販売許可をパスするたびに株価への影響があると見られています。
BNTXのワクチンのネックは-70℃で保管する必要があること。-70℃で保管する設備はかなり限られており、その点MRNAワクチンが優位性があります。
MRNAの株価が急騰している材料の一つが、BNTXに対して相対的に保存温度が低くて済むことによる実用性の高さであると考えられます。
AZN
一方でAZNは治験やり直しで出遅れています。ですが、AZNのコロナワクチンは2~8℃で半年保存可能であるため、一般の冷蔵庫での長期保存が可能です。
この点保存設備の乏しい新興国での普及の障壁が低いですね。また、ワクチン価格も4ドル程度と価格面でも優位性があります。
まとめ
コロナワクチン関連銘柄としてMRNA、BNTX、AZNをご紹介しました。まとめると以下の通りです。
・MRNAは好感材料豊富で200ドルまでは様子見
・BNTX(PFE関連株)は思ったほど上がらないと予想
・AZNはワクチン全世界普及を見込んで配当狙いの長期保有
高配当銘柄へひたすら投資するスタンスですので、BNTX関連のPFE、AZNは長期保有(AZN持っていないですが)、MRNAは販売承認が下りた段階で利確しようと思います。
投資(投機?)を通してコロナワクチン開発の恩恵を受けたい所です。
なお、ファイザー、モデルナのmRNAについては、アービュタス・バイオファーマ(ABUS)が特許で押さえていたりします。
当たれば爆発しそうですね。