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築地魚市場(8039)の株価・銘柄分析。注目の株主優待新設で利回りそこそこも業績は。。

 こんにちは麒麟です。

豊洲への移転問題で一時期はかなり揉めていたものの、現在は落ち着いている豊洲市場。

 国内有数の海産物の卸売市場として知られていますが、その一角を築地魚市場(8039)が担います。

 そして意外にも東証2部に上場しているんですね。

 そこそこ高配当で株価も1000円前後で推移していましたため、保有している人もいると思いますが、3/9の株主優待新設が発表され、株価も1856円(3/12終値)と一時はダブルバガーまで暴騰しました。

 配当利回りもそこそこ良く、本場築地の株主優待新設とあれば飛びつきたくなりますが、業績がいまいちなんですよね。。

 ここでは、株主優待新設の築地魚市場についてご紹介します。

築地魚市場は東証2部上場の水産物卸売業

 築地魚市場株式会社は、水産物の卸売を行う会社です。前述の通り東証2部に上場しています。

 元々は東京都中央区築地の中央卸売市場に入場していましたが、2018年に卸売市場の豊洲への移転に伴い、本社機能も豊洲に移転しています。

 移転先である豊洲地区の土壌汚染問題により、移転が社会問題になったことは記憶に新しいと思います。

 さて築地魚市場の事業内容は以下の通りです。

築地魚市場の事業内容

営業本部

 ・マグロ部

 ・鮮魚部

 ・特種活魚部

 ・加工品部

 ・販売促進室

冷凍事業本部

管理本部

八王子支社

 正に水産物の卸売!と言わんばかりの事業内容ですね。

 事業内容としては、中核事業であるマグロ、鮮魚、高級食材、缶詰めなどの加工品の仕入れ&販売、卸売り販売支援などがメインとなります。

 また冷凍事業本部とある様に、自前で超低温を含む冷凍設備を保有&水産物の管理を行っています。

 築地魚市場は、マグロをはじめとした鮮魚、高級魚の仕入れ、加工、保管、販売を一手に担う総合卸売業と言えます。

築地魚市場の配当金と業績

 築地魚市場の配当利回りは、1.88%(2021/3/12時点)です。株主優待新設で株価がこの1週間で2倍近くまで跳ねたため、元々3.5%程度あった利回りも半減しています。

 まずは配当金です。

配当金

 築地魚市場の2016年からの配当金です。配当月は6と12月です。

  配当は安定して30円で推移しています(18年は特別配当で35円)。一見すると安定した業績の様に見受けられますが、次の業績を見ると投資に正直躊躇していまいます。

業績と配当性向

 次に2016年からの業績と配当性向です。

 業績が安定せず配当性向も19年20年は大幅にマイナスで、資産を取り崩して配当を出している状態です。

 コロナショック前から業績が大幅に悪化しており、タコ足配当になっていることが分かります。

 配当と株主優待は非常に魅力的ですが、保有する場合減配+株主優待の即時廃止になるリスクは持っておくべきかと思う内容です。

株価

 過去5年間の株価の推移です。この1週間の値動きが正直笑えてきますね。

 元々1000円前後で推移していましたが、優待新設発表以降連日ストップ高で、3/12にようやく寄り付きました。

 株価は優待新設発表後はほぼ倍です。

 この値動きは正当な落ち着き方ではなく、どちらかと言うと投機的な買いが集中したものと思われます。

 そりゃあ築地魚市場の代名詞である水産物の株主優待新設、配当もそこそこ良い、東証2部で1部上場の期待有りですから、跳ね上がりますよね。

 参考ですが東証2部だと、ソース大手のブルドックソース(2804)が1部昇格で株価が暴騰しています。

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 また、東証2部で1部昇格狙いとして空中タッチパネルの実用化が近い村上開明堂(7292)なんかも注目です。

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 東証2部銘柄は1部上場時に株価が跳ね上がる傾向にあります。

株主優待は水産加工品詰合せ

 一流の水産卸売り業である築地魚市場の株主優待ですから、嫌でも注目が集まりますよね。

 築地魚市場の株主優待は自社グループ会社の水産加工品詰合せです。

 権利確定月は6月です。

優待内容獲得株数獲得条件
水産加工品3000円相当100株以上200株未満6/30時点で保有
水産加工品6000円相当200株以上6/30時点で保有

 天下の築地魚市場の水産加工品の詰合せですから、注目度は高いですし非常に魅力的な優待内容です。

まとめ

 築地魚市場は、株主優待の水産加工品が非常に魅力的であることと、そこそこ配当も良いことから株価が暴騰しています。

 以下まとめます。

・配当利回り:1.88%(2021/3/12時点)

・株主優待を新設し内容は自社水産加工品

・業績は良くないため保有にはリスク有り

 私も海鮮は大好きです。優待を重視しない投資方針ですが正直今回の優待新設は揺らぎました。

 ですが、業績を見る限り配当も無理して捻出している上に、今回新設の優待内容も内容が充実しているだけに、減配&優待廃止or改悪のリスクが十分にあると考えています。

 根っからの海鮮好き、投資資金に余裕がある方を除いては、優待新設という事実だけに飛びつくことはリスクがあることは否めません。

 築地魚市場を買うなら優待権利確定が6月末のため、相場が落ち着いて、株価が下落したタイミングを見計らいたいですね。

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