こんにちは麒麟です。
今回は年間売上高10兆円を超える、石油国内最大手のENEOSホールディングス(5020)についてご紹介します。
ENEOSホールディングスは石油国内最大手
ENEOSホールディングスは、石油精製・販売を手掛けるENEOSグループの持株会社です。2010年に経営統合により新日本石油株式会社(現在のENEOS株式会社)と、新日鉱ホールディングス株式会社(現在のJX金属株式会社)が共同で株式移管する形で誕生しました。
また、2017年4月にも東燃ゼネラルとも経営統合しております。
これにより、国内のガソリンなどの燃料油販売シェアは5割以上を占め、売上高も10兆円クラスの超大手企業となっています。
国内販売だけ見ると、2位のエクソンモービルの倍以上の売上高を誇ります。
【参考】石油大手エクソン・モービル

ENEOSホールディングスはENEOS、JX石油開発、JX金属を傘下に置いており、事業内容は以下の通りです。
エネルギー事業(ENEOS)
・(個人向け)ガソリンスタンド、水素スタンド、電力&ガス事業等
・(法人向け)潤滑油、石油化学製品、機能材、水素エネルギー、物流等
石油・天然ガス開発事業(JX石油開発)
・世界各地の石油&天然ガス開発プロジェクトの推進
金属事業(JX金属)
・機能材料事業、薄膜材料事業、資源事業、金属事業等
事業内容としては、ガソリンスタンドのENEOSで馴染みがあるかと思います。ENEOSというと、バリバリ石油のイメージがありますが、電気事業や、少しずつインフラの整備が進んでいる水素事業などのクリーンエネルギー事業も推進しています。
今後世界は脱炭素化が進み、電動化、クリーンエネルギー化がキーワードとなります。
日本のお家芸である自動車産業。電気自動車では一歩出遅れているものの、トヨタのミライなど燃料電池車の技術は最先端で、これらの普及にはインフラの発展が不可欠です。
ENEOSホールディングスには、エネルギー事業を通して、車やインフラの電動化、クリーンエネルギー化を牽引して欲しいですね。
ENEOSホールディングスの配当金と業績
ENEOSホールディングスの配当利回りは、4.28%(2021/3/26時点)とかなりこう利回りの部類に入ります。
まずは配当金です。
配当金
ENEOSホールディングスの2016年からの配当金です。配当月は6と12月です。

ここ数年は業績の変動は中々激しいものの、減配することなく配当を維持しております。ENEOSホールディングス程の時価総額の企業だと、中々減配し辛いのでしょうね。
JTの様にタコ足配当続きで減配にならないか懸念はあります。

ENEOSホールディングスのIR情報によると、株主還元の考え方としては中長期経営期間中(2020年~2022年)は、現状(年間22円/株)を下回らない配当水準を維持すると宣言しています。
業績さえ伴ってくれば大きく減配はしないと思います。
業績と配当性向
次に2016年からの業績と配当性向です。

ご覧の通り価格変動の大きい石油製品を主力とすることもあり、業績の変動が非常に激しいです。
特に20年度はコロナウイルス蔓延により、ガソリンを始めとした石油製品の需要減、石油価格の低迷などが響いていますね。
21年度の予測でも配当性向は78.6%と高水準で、予測を下回る業績となると配当維持が難しくなってくるレベルです。
ちょっと配当目的で買うのは躊躇してしまいますね。
ただ、石油精製は需要回復傾向にあり、製油所の再編、金属事業のチリ銅鉱山の採算改善など、好材料も多く業績は上向きつつあります。
株価
過去5年間の株価の推移です。上がENEOSホールディングス、下がWTI原油先物ですが、ENEOSの株価が原油価格に連動していることが分かります。
原油価格に株価も業績も左右されますね。
ENEOSホールディングス株価

WTI原油先物

※引用元:楽天証券
最近では600円/株前後で推移しており、利回りも4%以上と高いため利回り重視だと飛びつきたくなりますが、業績から考えると23年以降も配当を維持できるか不安な内容という印象があります。
まとめ
ENEOSホールディングスは、国内最大手の石油精製&販売会社で配当利回りの高い高配当銘柄です。
以下まとめます。
・配当利回り:4.28%(2021/3/26時点)と高水準
・原油価格に業績&株価が大きく左右される
・配当を維持できるかは業績次第
・株主優待は無し
世界が脱炭素化に進む中で、クリーンエネルギー事業にどれだけ舵切りができるか注目です。具体的には水素ステーションなどの普及です。この波に乗れれば自動車産業など国内の他産業も連れ立って伸びていくと思います。