こんにちは麒麟です。
コロナショックにより景気敏感銘柄と言われる自動車分野ももれなく業績に影響が出ています。カーメーカーではトヨタ自動車を除いて赤字転落と苦戦している各社です。
日産、マツダは無配に転落しました。

そのカーメーカーを支える自動車部品メーカーであるデンソーも、自動車需要低下の煽りを受けており、2020年度だけ見ると業績が悪化していますが、実際の所どうなのでしょうか?
この記事では、国内最大手の自動車部品メーカーであるデンソー(6902)について銘柄分析しました。
デンソーは国内最大手の自動車部品メーカー
株式会社デンソーはトヨタグループに属する国内最大手の自動車部品メーカーです。年間の売上高が5兆円を超える超大手です。全身はトヨタ自動車の電装部という開発部門でしたが、業績悪化で1949年に分離独立しています。

赤字部門であったため、半ばトヨタから見放された形となり、トヨタ紡織や豊田合成など、トヨタグループでは「トヨタ」と付く企業が多い中、デンソーはトヨタを社名に入れることすら許されなかった過去があります。
それだけ期待されていなかったんですね。
そんな不遇な扱いを受けながらふたを開けて見ると世界第3位の自動車部品メーカー(1位は独ボッシュ、2位は独コンチネンタル)に成長している訳ですから、並々ならぬ努力があった訳ですね。
デンソーの事業内容
デンソーはトヨタ系部品メーカーですが、意外にもトヨタは売り上げの50%で、トヨタ以外のカーメーカーへ部品を供給しています。
トヨタ系列でありながらトヨタに完全に依存している訳ではありません。デンソーの事業内容としては以下の通りです。
自動車分野
熱機器
カーエアコン、ラジエター、リザーブタンク等
パワトレイン機器
コモンレールシステム、アクセルセンサ、点火プラグ等
電子機器
各種ECU、リレー等
電機機器
スターター、オルタネータ、インバータ、DCDCコンバータ等
走行安全
ミリ波レーダー、車載カメラ
モータ
ワイパモータ、エアコン用モータ、パワーシートモータ等
非自動車分野
全館空調システム、給湯器等
こうしてみると、その名の通りセンサなどの電装品を中心に非常に幅広く製品を持っている企業です。
ちなみに今ではよく見る様になったQRコードは、デンソーの子会社のデンソーウェーブの商標です。元々デンソーの事業部でした。
自動車部品メーカーですが、住設関係など非自動車分野もあります。
デンソーの配当金と業績
デンソーは決して利回りが高い訳ではありませんが、主要顧客がトヨタであることから、トヨタの業績に左右されるという特徴を持っています。
配当金

19年に増配(130円⇒140円)しましたが、20年度は増配無しです。
業績と配当性向

2020年はコロナショックによる自動車需要低減だけでなく、フューエルポンプの大規模なリコール対応による支出があり、業績を大きく悪化させています。
しかし、デンソーはトヨタグループの筆頭企業であり、リコール保険にも加入していると見られ、倒産の可能性は限りなく低いと言えます。
豊富な内部留保によりこれに対応している当たり、さすが5兆円企業と言えますね。
今後の業績についても、自動車市場は中国を中心に需要は回復傾向にあり、デンソーの業績も上向いてくるものと予想されます。
株価
コロナ禍とリコール対応により、デンソーの株価は一時期3000円台まで落ち込みましたが、10/23時点では5000円目前まで上昇しています。

※引用元:楽天証券
中国の自動車市場がいち早く回復していることが影響し、リコールの影響をもろともせず、8月以降株価が急上昇しそのまま右肩上がりです。
まとめ
デンソーは、20年度3月期における収益はコロナ禍と大規模リコール対応の影響をもろに受け前年比で2割程度にまで落ち込んでいます。
以下まとめます。
・配当利回り:2.83%(10/23時点)
・主要顧客であるトヨタを中心に、幅広いカーメーカーと取引
・コロナ禍とリコール対応により業績大幅悪化
・自動車市場回復傾向で株価は急上昇中
・株主優待は無し
デンソーは利回りが決して高い訳ではありませんが、今後自動運転、電気自動車など、自動車業界の最先端を走る企業である点を考慮すると、ぜひ保有しておきたい銘柄と言えます。
特に自動運転を成立させる上で欠かせない、ミリ波レーダーや車載カメラなどを主力製品としている点がデンソーの強みです。
世界に誇る日本の自動車業界。その技術を支えるデンソーの動向に今後も注目したいですね。
